1. 発明の対象
カテゴリー:物の発明
複数の非接触センサを備える電子天びんにおいて、計量作業中の手や腕の接近による不要なセンサ作動を避けつつ、各非接触センサの有効状態と無効状態をメニュー操作なしで個別に切り替えられるようにする技術。
2. 従来技術
- 赤外線センサ等を用いた非接触スイッチで自動扉開閉等の機能を作動させる電子天びん。
- 非接触センサの有効状態と無効状態の切替には、操作パネル等からのメニュー設定を要していた。
3. 解決しようとする課題
本質的課題
複数の非接触センサを備える電子天びんにおいて、計量作業中の手や腕の接近による不要なセンサ作動を避けつつ、各非接触センサの有効状態と無効状態をメニュー操作なしで個別に切り替えられるようにすること。
4. 独立請求項(解決手段)
前記複数の非接触センサの少なくとも一つの作動により扉の開閉を行う電子天びんであって、
前記複数の非接触センサのそれぞれについて、当該非接触センサの検知領域に手が所定時間以上留まったことを検出した場合に、当該非接触センサの有効状態と無効状態とを個別に切り替え、
切り替え後の状態をLED又は表示画面上のアイコンにより表示する
ことを特徴とする電子天びん。
容易
非接触スイッチの状態案内に表示灯を用いる技術、複数近接スイッチで対象を識別する技術、及びジェスチャ又は無接触入力で機能切替を行う技術自体は公知であり、既存の電子天びんに各センサごとの設定変更入力と状態表示を組み合わせることは、設計最適化の範囲で実装可能と評価できる。そのため、五年以内に代替実装し得る。
- メニュー階層又は設定画面で各機能を設定する技術
- 時間保持以外のジェスチャパターンで切替を行うタッチレス制御技術
- 複数近接スイッチで表示灯により対象を識別するタッチレススイッチ技術
5. 従来技術と本発明の対比
(図:タイミングチャートを用いた課題解決原理の可視化)
【課題解決原理の違い】
従来技術では、センサを無効化するために操作パネルからメニュー階層をたどる手動設定が必要でした。本発明では、センサの検知領域に対する「手かざしの時間」を監視し、通常の一過性の手かざし(例:1秒未満の扉開閉操作)と、設定変更の意思表示である長時間の留まり(例:3秒以上)とを自動的に識別します。
上記のタイミングチャートに示す通り、所定時間(閾値)を超えて検知が継続したタイミングで、当該センサの有効/無効状態が即座に切り替わります。これにより、計量姿勢に応じたセンサ設定を完全タッチレスかつ直感的に行うことが可能となり、意図しない扉動作やサンプルこぼれを効果的に防ぎます。
6. 新規性・進歩性の検討
6.1 新規性・進歩性の判断詳細
新規性:無・進歩性:無判断理由詳細:
Y1文献(X文献と同一)が独立請求項の全構成要件を単独で開示しているため、新規性が否定されます。また、Y1文献は従来の非接触センサ付き電子天びんにおいて、センサの無効化に操作パネルの手動操作が必要であり、試料移載中に意図しないドア動作が生じ得るという課題を明示しています。その解決策として、時間パターン認識(3秒以上の手かざし)により各センサを非接触で切り替え、LED等で状態を知らせる構成を提示しているため、請求項1に係る構成はY1文献単独で想到でき、進歩性も否定されます。
| 構成要件 | 本発明 | 引用文献(X/Y1文献)の開示内容 | 判定 |
|---|---|---|---|
| 複数非接触センサ付き電子天びん構成 | 複数の非接触センサを個別設定の対象とし、少なくとも一つの非接触センサで扉の開閉を行う電子天びん。 | 右・左の非接触センサ31、32を備え、右ドア24及び左ドア25の開閉をそれぞれのセンサに割り当てる旨が記載されている。 | 開示あり |
| 長時間手かざし検出構成 | 各非接触センサの検知領域に手が所定時間以上留まったことを検出し、通常操作と設定変更操作とを区別する。 | 入力期間が3秒以上の long-holding action を時間条件として認識し、短時間操作と区別する旨が記載されている。 | 開示あり |
| 個別有効無効切替構成 | 検出結果に基づき、各非接触センサの有効状態と無効状態とをメニュー操作なしで個別に切り替える。 | Pattern 2 と Pattern 4 により、右センサ及び左センサの enabling-disabling setting をそれぞれ変更し、各センサを独立に切り替える旨が記載されている。 | 開示あり |
| 状態表示構成 | 切り替え後の状態をLED又は表示画面上のアイコンで表示し、設定誤認による誤動作を防ぐ。 | LED137、138の点灯・消灯、色変更案、さらに表示部351での記号(characters, symbols)による視覚表示が記載されている。 | 開示あり |
7. 従属請求項の候補
- 前記非接触センサに割り当てられた機能が自動扉の開閉である電子天びん。
- 前記非接触センサに割り当てられた機能が、自動扉開閉とゼロ点設定、自動扉開閉とイオナイザ動作、又は自動扉開閉とプリンタ出力のいずれかである電子天びん。
- 前記非接触センサの状態切替の完了を音で報知する電子天びん。
- 前記LEDが点灯、消灯又は色の違いにより前記有効状態と前記無効状態とを区別して表示する電子天びん。
- 前記表示画面上のアイコンにより前記有効状態と前記無効状態とを表示する電子天びん。
8. 出願に向けて補充すべきデータ
- 「長時間」の具体的な時間閾値、通常の開扉操作との識別条件、及び誤切替防止条件。
- 複数の非接触センサごとの有効状態と無効状態の保持方法、切替タイミング、及び制御フロー又は状態遷移図。
- LED、表示画面上のアイコン、及び音の各報知内容と、有効状態と無効状態との対応関係。
- 右側のみ有効化する等の複数センサ個別設定が実際に可能であることを示す操作手順及び実機動作例。
- 本構成により不要な扉動作、計量失敗、又はサンプルこぼれが低減することを示す比較データ。